馬革のわけ vol.1
馬革を使うようになった経緯です。
革屋さんに見せてもらった革たちの中に気になったものがいくつかありました。それが何故かすべて馬革だったこと。
その時それだけ馬革を気に入っても牛革でサンプルを作ろうと考えたりしていて…。
たぶん、“一般受けするもの”を作らなきゃと思っていたのだと思います。
しばらく悩みつつも結論が出ません。結論が出ないどころか不安が残ります。その不安てなんだろう?と考えたときに“どこにでもあるもの”になるからだと理解しました。
自分自身のものづくりの発端が“一般受けするもの”、そして“どこにでもあるもの”というだけで意思のないブランドになってしまうと思ったのです。
そこで馬革に戻ってきたわけです。再検討することにしました。
過去、馬革は2~3度カタチにしたことがありましたが薄くて軽い革という認識でいましたがその常識に当てはまらない、厚みがあってしっとりソフトな革と出会ったのです。厚みはありますが牛革の繊維とは異なるためか重さを感じません。“しっとり軽い”という表現が合っているかもしれません。
さらには表になる方(本来の革の表面ではないほう)に個性的なニュアンスがでる表面加工を施してあります。
逆に裏面(本来の表面)はほとんど加工せず下地染に近い状態にしておくことで、なんとも言えないしっとりとしたタッチになっています。
馬革本来の質感の良さが伝わりやすく、そして表面加工を施すことで他にはない新たな質感をプラスし、独特な個性が表現できていると思っています。
そんな革と共にスタートすることにしました。
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